マイク・パットンが、フェイス・ノー・モアやミスター・バングルのようなバンドでメジャー・レーベルと組んだのは、彼が本当にやりたいことを実現させるための手段だったと、思われることだろう。彼にはピーピング・トムというソロのプロジェクトがあり、そちらではマッシヴ・アタックやアモン・トビンとコラボレーションも行っている。彼の実験的なインストゥルメンタルのバンド、ファントマズの４枚目のアルバムもあり、ビョーク『Medulla』、ハンサム・ボーイ・モデリング・スクール『White People』でのゲスト参加。そして今回は、カリフォルニア州オークランドのターンテーブル・クルーであるエクスキューショナーズとのコラボだ。このグループの区切ったスクラッチとサンプルを生の素材として、パットンはカット＆ペーストの混沌状態のシンフォニーを作りだし、彼自身のトレードマークである叫びと唸りを入れた。万人向けのアルバムでないことは明らかだが、ジェイ・Ｚとリンキン・パークの意外なコラボがややつまらないと思った人は、凄いものもあると確かに思ってくれるはずだ。（Aidin Vaziri, Amazon.com）