2003年9～10月のアメリカ・ツアーを収録したライヴ映像。“SICK VIDEO”というアメリカのビデオ制作チームが、撮影、編集、ジャケットまでを手がけていて、アメリカ人が捉えたポリシックスというべき作品になっている。ほぼベスト選曲といえるアッパーな楽曲を、ハヤシを中心とする4人は相変わらずめいっぱいの全力疾走でプレイし、それを次々に画面が切り替わるスピード感たっぷりの編集でまとめている。さらにはインタヴュー映像にほかの音声をサンプリングしたり、まったく関係ない映像を突如挿入させたりというナンセンスなエディットも多く、全編にあふれるチープでトホホなセンスがたまらない。38分でスパッと終わる潔さも痛快だ。ある意味、このバンドの本質を鋭く突いた映像作品といえるだろう。（小山 守）