今回もおなじみの池波ワールドが展開されておりますので、安心してお楽しみ下さい。シリーズもここまでくると、読者の方でも、登場人物と(実在の)誰かを重ね合わせ、登場人物が実際に目の前で動いているような感じがし、登場人物に幸せあるいは不幸な出来事が起こると、読者も同じように良かったと思ったり、悲しくなったりします。
今回の特徴は、忠吾が寺の絡んだ事件で坊主にさせられたり、彦十が昔の仲間に誘われ、また盗みを働こうとしたり、脇役陣が大活躍します。特に最後の一篇では、平蔵のことも恐れないお熊婆が大活躍し、今後平蔵の元で働くことになります。次回以降のお熊婆の活躍も楽しみです。