Ten Thousand Fists
価格: ¥1,160
3枚目のアルバムで、ディスターブドは予想されたパターンを打ち破って自分たちの潜在能力を示すことはあまりできなかった。ファンはこのバンド特有のこぶしを叩きつけるような激しい曲を熱望していたが、オープニングのアンセミックなタイトル曲と「I’m Alive」(邦題「アイム・アライヴ」)、「Forgiven」(邦題「フォーギヴン」)には満足できるだろう。バンドが一番輝いているのはアルバムの最初のほうで、「Deify」(邦題「ディーファイ」)や「Guarded」(邦題「ガーデッド」)、「Just Stop」(邦題「ジャスト・ストップ」)、「Stricken」(邦題「ストリッキン」)では、このユニットが歌の微妙な部分をとらえることや公民権を剥奪された分譲地居住者の魂を高揚させるラジオ向きのコーラスもできるバンドだということを示している。このアルバムには欠点もないわけではない。中盤の「Suns of Plunder」(邦題「サンズ・オブ・プランダー」)に来ると、ヴォーカルのデイヴィッド・ドレイマンもバンドメンバーも予想したとおりというところに陥って、いい曲ではあっても第1幕に見られたような注目すべき点はほとんどなくなっていく。とはいえ、『Ten Thousand Fists』(邦題『テン・サウザンド・フィスツ』)は最終的に、ディスターブドは偉大さを目指す旅路の歩みをゆるめようとはしていないのだとあらためて思わせてくれた。(Jedd Beaudoin, Amazon.com)