言語の基礎学習でとても大切な「一つのことができてから次に」という考えを大切にしているのが第一の美点。
それでいながら学習者の大部分は大学生以上であることを考慮し、基礎的な文法(というよりは語法)をきちんと説明しています。
「中国語の文章では主語に既知のもの、述語に未知のものを置くのが原則」
などという説明はわかりやすい。
弱点は音声教材です。出演者の読み方が少々「棒読み」で頼りない。また、寸劇の出演は2人とも女性で、男性の声をあまり聞けないのも残念。
発音についてはこの教材だけで身につけるのは難しいでしょう。定評ある発音教材・すぐれた教師は必須だと思います。
2004年のNHKラジオ中国語講座入門編はこの本の著者 遠藤+薫 の担当で、内容もほとんど同じです。音声担当の容文育・沈宝慶の録音はこの本のCDよりも自然さ・表情が数段上で、音質も優れています(演技過剰と感じる人もいるかもしれませんが)。聞くのが楽しみ。
結局私はNHK講座のテキスト・CDを使うことにしました。費用はこの本よりも高くなるのですが...。