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それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)

価格: ¥660
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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色にも御注目! ★★★★★
この小説では色が重要な役割を担っています。
緑色のスープ・帽子・靴、教会の白い十字架等、お話の節目には必ず何かの色が出てきます。
緩やかな詩のような文体でありながら、話の光景が鮮やかに浮かび上がるのは、これらの色が強く印象付けられるからでしょう。
スローライフ ★★★★★
最初、エッセイだと思っていました。
それほど事件も何もない、ごく普通の生活の感じが滲み出てます。
話が進むごとに、まずサンドウィッチが食べたくなり、そのうち美味しい野菜たっぷりの優しい味のスープを飲みたくなり、最後に手巻き式の腕時計が欲しくなります。
昭和の大人のメルヘン ★★★★★
善人だけの、ほっと一息できる、やさしいメルヘンです。

舞台は東京で今の時代だけど、誰もが昔共有していたような、レトロな思い出のような物語。

心穏やかになりたい時、人間の良心を信じたい時、人のやさしさを思い出したい時、

寂しい時、そっと開きたい本です。

読んでいて涙が出そうになりました。
活字メディアならでは ★★★★☆
青年、父子、おばあちゃん。
会話が成り立ちにくいはずの年齢の壁を越えて、
交流する。
しかも大人の距離感を保って。

そんなちょっと不思議な小説。

あとがきによると、世田谷の赤堤の町をモデル
としたらしいが、多分、過去というか、思い出の中の
赤堤の町であって、現実の町ではない。

だから多分、あおいさんのスープも現実には存在しない。
でも、飲んでみたいな。
ショーペンハウアー流の「ヤマアラシのジレンマ」 ★★★★★
月舟町シリーズ三部作のひとつです。

なんとも温かい小説です。

登場人物がすべて魅力的で個性が際立っています。

この小説の登場人物の良いところは、誰もが自立して生きていること。しかも、けっして自分勝手ではなく、むしろ廻りに気遣いながら生きている。

しかし、けっして自分自身の領分に他人が土足で入ってくることを許さない。他人に過度に期待しない。

要は他人と絶妙の距離をとり、人の負担になるほどくっつきすぎず、寂しいほど離れすぎない。

その距離は「ヤマアラシのジレンマ」と呼ばれる心地よい距離。

「自己の自立」と「相手との一体感」という2つの欲求、

それを、ことさらに主張することなく、人に押しつけることなく、

唯々、生真面目に大切にして生きていく。

この小説の中では、みんな大人だ。子供でさえも。

ここに描かれた街はひとつの理想郷(ユートピア)である。

おいしいサンドイッチ屋さんと、夜鳴きそば屋(ラーメン屋)さんがあって、

電車に一駅乗ると古い映画を上演する小さな映画館がある。

そんな街に僕も住んでみたい。

できればおいしい豆腐屋さんもあればいいかな・・・