張りつめた音のリズムギターにかぶさって、ヘルゲ・エンゲリケのつきぬけるような高音のリードギターが響く。フェア・ウォーニング流のダイナミックなオープニングだ。サウンドの綿密さにドライブ感が加わった4作目である。
   ヴォーカリストのトミー・ハートは、元来の力強さに加えて柔軟な表現力を身につけ、フロントマンとしてのポジションを揺るぎないものにしている。緩急のバランスがとれた収録曲のなかでも異彩を放つのは、バグパイプのような音をフィーチャーしたラストナンバー<14>だ。新境地への新たな1歩を予感させる。（富良仁枝実）