フィーヴァー 2002 ライヴ・イン・マンチェスター [DVD]
価格: ¥2,500
カイリーが『フィーヴァー2002』で帰ってきた。2001年の『グレイテスト・ヒッツ・ライブ~イン・シドニー 』より予算も彼女の腕輪も増えている。これは、最高のビジュアル・イメージと演出と衣装デザインがまじった、高品質のニューウェイブ・ポップ・コンサートだといえる。カイリーはさまざまな役柄で登場。オープニング「Come into My World」で『メトロポリス』の女王(精巧な機械的シルヴァーの衣装)。「スピニング・アラウンド」では『機械じかけのオレンジ』風にアグレッシヴなキャラクター。「Confide in Me」のヒップホップにどっぷり漬かった婦人警官。最も印象的なのは、アヴァンギャルド日本風ポップな演出がすばらしい「GBI」、そしてエレクトリックな衝撃が走る「Light Years」。(残念ながら「ラッキー・ラブ」はオリジナルが強烈すぎて、それ以上の演出は無理だった。)
ポップスター中毒の人は注目。カイリーの成功の理由のひとつは彼女が誰のまねもしなかったこと。それだけにこのコンサートの演出はなおさら良かった。もうひとつの理由は、スタイリストからダンスの振付師、そして舞台監督に至るまで業界の最高峰のスタッフが回りをかためていること。これで十分じゃないとしても、彼女自身のステージでの存在感も圧倒的だ。いとも簡単に観客の気持ちをつかみ、階段や可動式ビデオ・プロジェクターを導入した巨大舞台セットをその小柄なサイズで支配する。これは巨大予算のポップ・コンサートであると同時にパフォーマンス・アートでもあるのだ。10年前に彼女本人が望んでいた、“大人になったカイリー”を観客が受け入れる準備は今や万端だ。(Nikki Disney, Amazon.co.uk)