良心的なCDレビュアーなら誰でも陳腐な言い回しを嫌うが、『Grammy Nominees 2005』に負け犬がいないのは事実だ。ここに収録されたすべてのアクトが黄金のトロフィーを手にして去るわけにはいかなかったが、アリシア・キーズ、ロス・ロンリー・ボーイズ、マルーン5のように多くはその夢をかなえ、認められた理由を気安く示さなかったアーティストもいた。グレッチェン・ウィルソンは聞き逃せない「Redneck Woman」で現代のカントリーを演奏し、カニエ・ウェスト、ジョス・ストーン、ジョシュ・グローバンのような比較的ニューカマーたちも混じり、聞き続けても飽きのこないものになっている。だが、本当の勝者は昔からのリスナーだ。ブライアン・ウィルソン、エルヴィス・コステロ、プリンス、U2が授賞式前のショーに集まる若者たちも、そして本人たちと同年代のファンたちも同時に魅了している。（Tammy La Gorce, Amazon.com）