A Rake's Vow (Cynster Novels)
価格: ¥663
バー・シンスター・シリーズの第2作となる本書に、著者ステファニー・ローレンスは19世紀のイギリスの摂政時代というスタイルと束縛されない生き生きとしたラブ・シーンをふんだんに盛り込んでいる。気品と威厳をあわせ持つベーン・シンスターは、あらしを避けようと身を寄せた先で、情け深い名付け親のいとこにあたる未婚の女性ペイシェンス・デビングトンと出会う。ペイシェンスが妻となる運命の相手だと感じたベーンは、すすんで運命に身をゆだねた。ペイシェンスもたちまちベーンに強くひかれるが、父親を思い出させる「気品にあふれる紳士」にたいして不信感を抱いてしまう。というのも、ペイシェンスの父は妻に愛情を示さず、そのために母が辛い思いをしていたからだった。ペイシェンスの愛を得ようとベーンは名づけ親の屋敷に身をよせるが、そこには貧しい縁者やさまざまな居候がいて、ベーンはこそ泥を追いかけ、住人を悩ませる「幽霊」を退治する羽目になる。ベーンは持ち前の調査力を駆使して犯人を追跡するが、そのすぐれた手腕とひたむきな求愛を目の当たりにしたペイシェンスは、ベーンにとって家族、忠誠心、そして愛がなにより大切であると強く感じるのだった。ローレンスは卓越した筆力で、摂政時代の男性や、優雅で束縛された貴族社会がはらむ強い衝動をあらわに描き出している。愛に満ちたシンスター一族の物語は、続刊では一族のほかの人物も登場し、ますます読者を魅了するに違いない。(Ellen Edwards, Amazon.com)