CTの造影検査計画を立案するのに必要な考え方が身に付きます。
★★★★☆
地味なタイトルと装丁の割に、中身は熱いです。CTの検査計画を立てる際に必要となる背景の理論が、分かりやすく解説されています。
造影剤のヨード総量、注入濃度、注入速度、注入時間、撮像タイミングなどの違いによる画像の変化を、time density curve (TDC)をベースに詳細に検討した実験結果が事細かに記されており、根本から理論固めができます。著者は肝臓を専門としていることもあり、肝臓のdynamic造影検査に関する記述は特に充実しています。一方、頭頸部に関しては記載がありません。
あらかじめ用意されたプロトコールを単に当てはめるだけでなく、患者の個別的な事情に応じた至適な検査計画を立てられるようになるためには、是非とも目を通しておきたい一冊です。