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大腸菌 〜進化のカギを握るミクロな生命体

価格: ¥2,205
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本放送出版協会
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驚きまた楽しく読ませていただきました。 ★★★★☆
生物の進化の過程が理解できた事とは別に感じることがありました。
西欧をはじめとする絶対神の存在を必要とする価値観と、日本人のようにひたすら自然に対する畏敬の念を抱く価値観との違いによる様々な解釈の違いを感じました。絶対神を信ずる人々は他を認めずその主張を正しいと信じたらとことん他を否定する行動に出ること。それに対し日本人は自然(他者を含めて)を素直に受け入れ反省を基本とする行動に出る。全ての原点がそこにあるように感じました。
大腸菌を通じて生命の本質に迫る ★★★★★

自分は実際に大腸菌を使用して分子生物学の研究に従事していたことがあるため,本書に描かれている大腸菌の諸相は,興味深く読むことができた。

しかし,著者の語り口,訳者のこなれた日本語のいずれも非常に分かりやすいため,特に大腸菌になじみがない人でも,面白く読めるのではないか。

本書で最も素晴らしいのは,大腸菌の研究を通じて,地球上の生命そのものの起源や設計(例えば,生命起源のRNAワールド,自然淘汰,シグナル伝達など)に迫ることができたという生命科学研究の歴史を,明らかにしていることだろう。そのスケールの壮大さは,実際に読んでみなければ体験できない。
地球上の生命の案内役E・コリ ★★★★★
本書の著者であるカール・ジンマーは、アメリカ人サイエンスライターと紹介されているが、生物学における「穏やかな論客」と言われる人物である。「訳者あとがき」にもあるとおり、その著書がリチャード・ドーキンスと並べて評される機会が多いそうで、どちらも進化論の立場であるが、ドーキンスが相手を倒すボクサーにたとえられるのに対し、ジンマーは極めて優しい語り口に定評があるとのことである。本書においても、翻訳にあたった矢野真千子氏に、「訳していて気持ちよかった」と言わせるほどの表現は、読者に分子生物学・細胞生物学の魅力をたっぷりと紹介してくれる。矢野さんといえば『迷惑な進化』や『ダーウィンが信じた道』でおなじみだが、今回もさえわたった訳だ。

で、この本の主役は、書名にもあるとおり「分子生物学の発展にもっとも貢献してきた立役者」である大腸菌すなわち「エシェリキア・コリ=E・コリ」である。このバクテリアは、名前の由来となったテオドール・フォン・エシェリッヒに発見されてのち、モルモットやショウジョウバエと同じように幾多の研究者によって研究の素材として扱われ、人類にたいへん大きな貢献をしてきた。多くの生物学上の発見がE・コリによってもたらされたのである。

本書では、E・コリの発見から始まり、細胞単体としての特徴、性、進化、エネルギーの獲得、遺伝・・・縦横に振られた話題は、ノーベル賞を受賞した分子生物学者ジャック・モノーの「大腸菌にあてはまることは、ゾウにもあてはまる」という言葉を枕にして進む。本書を読み終わる頃には、何となくE・コリ、すなわち大腸菌に不思議な愛着さえ感じるようになるだろう。
人類の友で敵 ★★★★☆
前半は大腸菌に関する常識的な内容。第10章の「生命を人工設計する」は怖い、オタク研究者がどんな怪物を生み出すか気になる話が多い。
日本では大腸菌群を対象とした「フローラ・・・・・」なる理研を主体としたナショナルプロジェクトがあったがこの紹介はない。
肉食をしないニューギニア奥地部族の大腸菌群は蛋白合成に優れているという中間報告を見た覚えがある。
食糧問題の一助と思ったがその後の進展はなかったのか、本書では取り上げられていない。

ヤクルトも毎年「フローラ」研究会を開催しているが本書の対象外となっている。

どちらに責任があるのか?

大腸菌全体を概観し、最近の研究や耐性菌問題の動向を知るのには好適。