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田村はまだか (光文社文庫)

価格: ¥600
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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ぴあのおススメ ★★★★★
吉川英治文学賞受賞作の文庫化。朝倉かすみはいまもっとも注目の作家である。ちなみに、11月に刊行されたこの文庫は早くも5刷目だ。さて、舞台はススキノのとあるバー。小学校の三次会で集まった40代の男女5人は、ひたすらひとりの男を待っている。「田村はまだか」とつぶやきながら…。物語は六話の短編を通して、それぞれの過去と現在を語っていくというもの。飾らずに向き合える仲間たちの遠慮も気遣いもない、温かくも辛辣なやりとり。それは大人なら誰もが味わったことのある大切な時間である。残念なことに、いい歳こいた大人は「空気を読んで生きている」。哀しいことに、いい歳こいた大人は「人様の生き方には踏みこまない」。だからこそ「空気を読まず、人様の生き方に踏み込んでくる」昔の仲間との時間は大切だ。その大切なことを朝倉かすみは、ちょっと温かく描く。そしてうんと苦く描く。でも…なんかやっぱり温かい。なんとも達者な作家である
MIYABAYの本棚 ★★★★☆
実に上手い!すっかり、やられました。最後はもう「たむらぁ、みんなぁ、頑張れぇ!」っていう感じ。40歳を過ぎてから読まれることをお勧めします。
ことばとおとの日々 ★★★★☆
同窓会帰りの5人の男女が、とある酒場で遅れている「田村」を待っている、その間に一人一人の人生が語られる。みんなが語る「人生の転機点」でもある「田村」ってどんなひと?と想いが膨らんでいくが、なかなか田村は現れない。このまま来ないの?と思った時。事件が!
完全なハッピーエンドではないのだが、実に味のある、暖かい読後感が残る。吉川英治文学新人賞受賞作。