実際、アルバム全曲とも申し分ない。これは豪華ゲストによるところも大きいようだ。「Just Like a Dream」ではアトラスが一歩下がって、プリンセス・ジュリアナの愛に飢えたラップをフィーチャー、「Who's My Baby」ではニアラ・スカーレットの力強いソウル・ボーカルを、そして「Simple Heart」ではシンニード・オコーナーの悲しげな歌声を全編にフィーチャーしている。ジョセリン・プークによる壮大なオーケストレーションに加え、ガマル・アワドのクレイジーなキーボードや故サミ・エル・バブリの哀愁漂うトランペット、さらにはジャ・ウォブル、カウント・ドゥブラ、トランスグローバル・アンダーグラウンドも参加し、どこをとっても一級品の出来。
ワールドワイド・ミュージックとしての『Something Dangerous』はケイト・ブッシュの一連の作品よりは、ピーター・ガブリエルを親しみやすくしたような雰囲気に近い。とはいえ、ひとひねり効いたチルアウト・ミュージックを好きな人にも十分楽しめる内容になっている。(Dominic Wills, Amazon.com)