アルマーニのスーツを着こんだ気取ったタンゴにシルべスター・スタローン、ワイルドなキャッシュにカート・ラッセル。当時スタローンは『ロッキー』『ランボー』の2大シリーズでマッチョぶりを大いにアピールしていただけあって、少し気どり気味のタンゴ役はひとひねりしていて、小気味よいものが感じられた。監督に『暴走機関車』で知られるロシア出身の骨太監督アンドレイ・コンチャロフスキーを迎えたことも、佳作に仕上がった一因だろう。(的田也寸志)