注目すべき、最新型タイフーン
★★★★☆
航空自衛隊の次期戦闘機(F-X)選定の候補機のひとつとして注目されている、ユーロファイター・タイフーンの特集が組まれています。
迷走を続けるF−Xにおいて、タイフーンが語られる際には殆ど決まり文句のように『欧州製の機体であることがネック』という評価が付いて回っている気がします。確かにネックである事は事実ですが、そうこうしている内に選定開始から3年以上が経過してしまいました。そして、その間にタイフーンが着実に進歩していた事がこの特集記事からは読み取れます。
空対空ミサイルと目標指示ポッドしか装備できなかったトランシェ1(1次生産分)は既に引き渡しが終了、トランシェ2の引き渡しが始まっています。トランシェは製造時期ごとに『ブロック』という単位で分けられており、最新のトランシェ2・ブロック10/15においては巡航ミサイル、長射程対空ミサイル、レーザー誘導爆弾、対戦車ミサイルと多彩な兵装が搭載可能となっており、懸案だった対地攻撃能力が充実してきていることが分かります(航空自衛隊には、更に新しいトランシェ3が提案されています)。
F−22は絶望的、共同開発に参加すらしていないF−35はいつ買えるかも不明、艦載機のF/A−18Eは主翼折り畳み機構等がデッドウェイトの上に空戦が不安、という状況下で『F−4EJ改』の後継機を決めるとなれば、素人目にもタイフーンはかなり有力な選択肢であるように思えます。もちろん政治絡みの事なので、そう簡単には決まらないでしょうが・・・。
他にもファーンボロ航空ショーやリムパックの記事が掲載されていますので、戦闘機ファンなら買って損はないと思います。