the pillowsは、これまでもブリットポップやUSオルタナなどのムーブメントを、同時並行輸入というよりは、自分たち(特にフロントマンの山中さわお)のタイム感で昇華してきたバンドだ。このアルバムでも良質なロックンロールバンドの名作がそうであるように、一定の楽器でどれも同じ質感のギターサウンドがさりげなく全編を貫通している。やってそうでやってなかった王道ブリティッシュビートな「TERMINAL HEAVEN‘S ROCK」、続けていくことの痛みと前進を感じさせる「昇らない太陽」などかけがえのない11曲がそろう。(石角友香)