1989～1991年。フリッパーズ正味の活動期間のなんと短く、そして濃厚だったことか！ ギターポップ、ネオアコ、フレンチ、アシッドハウス…それらをバラで理解し、自らの音楽に反映していたアーティストは渋谷系の中にも多く存在した。しかしフリッパーズ・ギターというアンファンテリブルは、なんの遠慮も時代の交錯も関係ナシに自分たちの音楽として鳴らしていた。そんな凄まじい執念のほんの一端がこのシングル集。よしんば50年代のジャズだと思ってる若い人がいたとして誰も責められないクオリティの「恋とマシンガン」、後期の問題作「GROOVE TUBE」などなどおそらく20～30年は色褪せようのない12曲。インテリ不良少年ならではの色気ってヤツもご堪能あれ。（石角友香）