天国の門 [DVD]
価格: ¥2,990
19世紀末のワイオミング、牧畜業者たちが勢力を拡大してきた開拓民たちを暴力で排除しようとしていたとき、保安官アベリル(クリス・クリストファーソン)はジョンソン郡に住む開拓民たちへ避難を勧める。しかし、やがて虐殺の幕が切って落とされ…。
アカデミー賞受賞作『ディア・ハンター』で名をあげたマイケル・チミノ監督が、巨額の製作費を投じてアメリカ建国史の汚点と呼ばれるジョンソン郡戦争に挑戦した一大スペクタクル超大作。しかしその題材ゆえか、アメリカ本国では一大バッシングとなり、製作会社ユナイトは倒産するなど、前作の栄光から一転してチミノ監督は「地獄の門」を通過することになってしまった。オリジナルは219分だが、アメリカで後に短縮編集された149分のものが日本では劇場公開(DVDはオリジナル版)。
本国のヒステリックな評価はさておき、冒頭の1870年ハーバード大学卒業式での長いシークエンスから、ヴィルモス・ジグモンド撮影監督の映像とデイヴィッド・マンスフィールドのシンプルで奥深い音楽に魅惑され続け、スペクタクル・シーンの迫力に息を呑み、しかもその中の人間ひとりひとりの感情を切なくこだまさせた意欲的映像詩に仕上がっていることは注目していい。キャストではシニカルな殺し屋役クリストファー・ウォーケンが儲け役。(的田也寸志)