●１月新刊●
不思議な町たちが描かれる作品集。
遊園地の幽霊／海に沈んだ町／団地船／四時八分／彼の影／ペア／橋／巣箱／ニュータウン
◆白石ちえこさんの写真と共に描かれた物語は、切なくってなんとも不思議な物語でした。
まずモノクロの写真がなんとも素敵で不思議。
写真のはずなのにどこかリアルなスケッチなのでは？と思うのはその不思議さとどこか懐かしい感じのする故でしょうか。
ありえない物語を、もしかしたらそれは隣町なのでは？とこの写真たちが思わせてくれます。
お気に入りはかつて遊園地があった町に住む人が遊園地の夢を見る「遊園地の幽霊」
昔は憧れの的だった団地が船になっている「団地船」
影が自由に動き出し、影が入れ替わってしまった「彼の影」。
もちろん海に面しない町なのに海に沈んでしまった表題作も、最後となってしまったニュータウンを政策で保護して…という「ニュータウン」も好きです。

●１月７日発行予定●
喪失、絶望、再生――もう一人の“私”が紡いでゆく、滑稽で哀しくて、少しだけ切ない九つの物語。
『失われた町』『刻まれない明日』に連なる“町”を、気鋭の写真家との奇跡的なコラボレーションで描く連作短編集。
午前４時８分で時間が止まり、住民たちは年もとらず永遠に眠り続ける町が舞台の「四時八分」など、喪失感溢れる不条理な三崎ワールド、全開！