ウクレレ・ミュージックにしろマーティン・デニーのエキゾチカにしろ、ドン・ホーのラウンジ・クルーニングや昔ながらのスラックキー・アコースティックギターにしろ、多くのミュージック・スタイルがハワイという太平洋に浮かぶ宝石の首飾りから生まれている。5つのアルバムを通じて、人気歌手ケアリイ・レイシェルは、商業的なアダルトコンテンポラリーの作品と伝統的なウクレレとフラダンスの伴奏の両方に触れてきた。彼はプロのミュージシャンになる前はフラダンスのインストラクターであり、文化史家だったという。グラミー賞にノミネートされた『Ke' Alaokamaile』（邦題『ケアラオカマイレ』）は彼が家族に捧げたアルバムであり、祖先と彼自身のそれまでの人生を歌っている。こうしたコンテンポラリー・ソングの多くには（ハワイアンを歌う場合にも）虚飾があって、それが幅広く通俗的な魅力を与えていることは間違いない。レイシェルもセンチメンタルを演じてはいるが、どこか中身のないスティングの「フィールズ・オブ・ゴールド」（原題「Fields Of Gold」）という感じがする。一方、トラディショナルソングではレイシェルの多才ぶりが十分に証明されている。純粋主義者は『Ke' Alaokamaile』の何曲かを問題にするかもしれないが、数多いレイシェルのファンはそんなものはすべてのみこんでしまうだろう。（Tad Hendrickson, Amazon.com）