今までとは少し変わった
★★★★☆
火山灰に埋もれた街「ポンペイ」については多くの本が出ているが、この本はユニークな内容である。西暦54年〜79年までの25年間を当時の皇帝ネロの治世とポンペイを関連つけた内容で実際にポンペイに残された歴史資料(落書き、壁画、商売道具島)や歴史書を吟味して25年間のフィクションをまじえたポンペイの人々とネロの生涯の歴史物語です。推測ではあるが人々の生活ぶりは確かな根拠に基づいたものであり、歴史的事実と矛盾しないよう十分配慮されて記述されているので、商人、奴隷、自由人、神官など物語に登場する人物は生き生きと記述されており、また、当時の風習、制度についても書かれているので1900年以上前の町の様子が再現されたような感じを受ける。ただ、最後の日についてはもう少しページを割いてもよかったかな?と思います。