A Briefer History of Time
価格: ¥2,405
ホーキング博士が物理学を解説したあのベストセラー『ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで』から17年。素粒子物理学や観測天文学の最新データは、大統一理論、超統一理論の発見と研究に光明を投じてきた。ホーキングとムロディナウはこの理論を使って、「宇宙はどうやって始まり、どこへ行くのか」という宇宙に関する基本的な疑問に対し、最新の回答を提供している。ページをさいて詳細に論じられているのは、神秘的な暗黒物質や暗黒エネルギーだ。これは引力の作用によってのみ観測が可能な、宇宙の物質の90%を構成していると考えられるものだ。またこの20年間に発展したもうひとつの分野として、ひも理論があげられる。この複雑なトピックについて一般向けに書かれたものとしては、この本のホーキングとムロディナウのディスカッションほどわかりやすいものは、かつてない。本書を読めば、第一線の現代物理学における明らかな矛盾と難問について、読者はよく理解できることだろう。
読者の中にSFファンもいると認めた二人は、タイムトラベルの可能性に関する章も設けている。彼らのアドバイスは「あてにはするな」とのことだ。こうしたトピックを通じて、『ホーキング、宇宙を語る』を楽しい読み物にした、あの皮肉のきいて生き生きした語り口は健在だ。最後は「そもそも宇宙はなぜ存在するのか?」という、どこまでが物理学でどこからが哲学なのかわからないディスカッションで本を締めくくる。彼らはこの疑問に答えられないが、考えるためのすばらしい材料はたっぷり与えてくれる。おすすめの一冊。
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