手のなかの浄福。
★★★★☆
文庫本サイズですが、充実した内容です。
手のひらの中に、氏の作品がひろがって
パラパラとページを繰ることができません
両手の中に収まってしまうからこそ、
氏と親しく会話しながら、
絵の間を歩んでいるような感覚になるのでしょう
絵画作品のレイアウトにも工夫があり、
たんなるフォーマット方式ではありません
また画面の一部に寄って
拡大してみせてくれてもいます
それぞれの絵画には氏の小文がついて、
理解を助けてくれます
ラストの作品は、白い地肌を神秘的に広げる
樹木に囲まれたオーストリアの森
彼方に見えるのはモーツァルト・オペラの一場面
絵画作品の後にスケッチページがあり、
巻頭巻末の氏の随想も味わい深い。
東山さんの心の浄福と平安を共有できる素晴らしい小画集
★★★★★
東山さんが1969年に留学以来36年振りに奥様と訪れたドイツとオーストリアの景観が作品の中心で、時折、東山さんの真摯で深みのある言葉が絵に添えられています。
私も訪れその美しき静謐さに感動した南ドイツのケーニヒ湖・オーバー湖、そしてザルツブルク城の景観に加え、ドイツの聖堂、教会、街並み等がとても暖かい目線で描かれており、東山さんのその時の心の浄福と平安を絵を通して感じることが出来ます。
71作品がカラーでその全体が、そして、時に一部を拡大し見開きで印刷されており、見応え十分の小画集です。
画伯の青春の絵たち
★★★★★
東山魁夷の若い時代の作品集。ドイツ・オーストリア独特の雰囲気がコンパクトなのに充分に堪能できる。山の風景、教会、家々の窓など、美しくロマンティックで清らかな絵たち。文庫でこんなにリッチに楽しめてしあわせになれるなんて、うれしいです。印刷も美しいです。私は友達の息子の中学入学祝にプレゼントしました。絵が好きな人へのちょっとしたプレゼントにいいかなとおもいます。