これでもかっ!と言うほど詳細
★★★☆☆
ある年、郵便物が届かなくなったことありました!
郵便局や宅配業者に確認したら「住居番号が違う」とのこと。
その後交渉により、この問題を解決しました。
しかし、住居表示なんて変わるものなのか?そもそも、
どうやって決まっているのか?などと疑問(グチ?)を友人に
伝えたところ、調べてもらえました。その際の参考文献が本書。
とても解説が豊富で、分かりやすいです。
住居番号は、街区の角地から右回りで規定されており、道路から
建物への入り口の場所に応じて振られます。当時住んでいた住居
は角地にあり、改修の際に新しい入り口を作ったため、住居番号
が変わったのか。なるほどねぇ。
その他、これでもかっ!と言うほど詳細な話があります。自分の
地元が出てきたり訪れた地名が出てきたりすると、より理解が
深まって嬉しいですね。
住所にも人のこころが宿っている
★★★★★
本書は,地名の由来について述べた書物ではなく,住所表示のシステムについて述べたものである。前半は,地番と番地について,地域や国によるシステムの違いについて,紹介されている。後半は,昭和37年に施行された住居表示法を説明したうえで,この国家政策を杓子定規で適用し,伝統ある地名(おもに小字)を消滅させ,背割りの町を街区で分けることにより,伝統あるコミュニティを崩壊させた問題を指摘している。そして,地名を「無形文化財」と表現する筆者は,数字の羅列ではなく,伝統ある小字を活用して住所表記することを提案している。そうしたほうが分かりやすいし,覚えやすい,そして何よりも,土地への愛着と歴史への敬意を伝えていくことができるというのである。
この本を読むと,身近な住所表示がいかに複雑な諸事情の産物であるかを感じることができる。そして,住所が単なる記号ではなく,そこで実際に生活している人々の諸事情,精神,人と人のつながりを反映したものであるということを感じることができる。それを知らずしての「合理性」は,結果的に非合理であることを理解できる。
「住所」にこだわった本
★★★★☆
地名の本はトラック何台分もあるが、「住所」にこだわった本はほとんどない。誰でも自宅と勤務先の住所は記憶しているだろうし、年賀状を書くときには何十何百とお目にかかるだろう。それに含まれる都道府県・市町村・郡・大字(おおあざ)とは何なのか、さらに番地や住居表示はどのように振られるのか。本書ではその歴史から仕組み、現在の位置付けなどが豊富な地図とともに解説されている。地番の振り方や、今はほとんど使われていない小字の説明などは、よほど興味のある人でないと退屈かもしれないが、今の自分がいるところの「住所」を見つめ直すのは大切なことではないだろうか。