しかも、従来のクラブ・ミュージック風のアプローチやR&Bを忘れたわけじゃない。方向性を変えたと言うよりは、元々ある多彩なバックグラウンドを一気に開花させた印象だ。そして、そんな幅広さを力強い歌声が1本の図太い流れに束ねあげている。今回も参加しているリンダ・ペリーに加え、BLINK182のトラヴィス、ランシドのマット・フリーマン、元ワイヤー・トレインのブライアン・マクリード、ジョン・フィールズら、ミュージシャン使いがロック・ファンのツボを妙に刺激する。(山口智男)