鉄道解説本(上級者編)
★★☆☆☆
JR西日本の運転士が書いた電車の本。発進、加速、走行、止まる。
運転のステップ毎に細かく解説してくれます。
運転士の気持ちが詳しく紹介されているのが本書の大きな特徴。鉄
道マニアが書いた本にはない視点が新鮮です。一方、こだわりがあ
り過ぎるのか、説明の粒度が揃っていないのが難点。項目によって
妙に詳細すぎる説明が続き、読みづらく感じます。
他の本に物足りなくなった方にはお勧めの、鉄道上級者向けの本で
す。
経験の話しがおもしろい
★★★★☆
鉄道や交通政策の話しが好きで読みました
鉄道って重そうだけど車に比べるとそれほどの力は必要ないって聞いてへーって思った
逆に鉄道の最大の敵は坂だとか
そうか坂か、もともと日本には向かない乗り物なのかも
広大な平らな国ならいいけど山越え谷越えだもんね
しかし鉄道のシステムはすごい
鉄道先進国だなと改めて思いました
まとまりが悪いというのかちょっと理解しづらい部分もあった
ディープな電車の運転の本
★★★★☆
JR西日本で運転士を長らく勤めた著者が,電車に関する実務的な運転の話から工学的な話まで,かなり突っ込んだ内容を書いている.技術系の人でなければ難しい内容も一部に含まれている.
普段乗っている電車を運転している人が,何を考えているのか,そしてどのような操作をして,何に注意を払っているのかがわかる.実際,本書を読んでからは発進・停止時の「衝動」について敏感になってしまった.実際にギリギリのダイヤの中で,1秒を縮めるためにブレーキを遅らせているなど,そんなテクニックを使っているなぞ知る由もなかった.
それにしても,電車の運転がいかに運転士の技量,そして判断に委ねられているのかがよくわかった.
ただ,事故のことはほとんど触れられていない.福知山線の事故など,刑事事件として捜査も続いている段階であり,書けないことも多いのかもしれないが,ダイヤに縛られていることと安全の関係には,事故の遠因となるであろうことは想像に難くない.本書が事故に触れていないことは無難な判断と言えるが,逆に事故調査委員への働き掛けなど,身内で済まそうという隠蔽体質からの事態が発覚している現時点においては,避けることの疑問も覚える.運転士の本音も聞きたかった.
意外な専門書
★★★★★
電車の運転とは子供が喜びそうな本だなと思っていたが
あけてびっくり。非常に専門的な本。
子供の本というよりは、子供のまま大人になった人の
夢の教科書
巨大精緻なシステムの一部
★★★★★
国鉄からJR、30年以上鉄道運転一筋で過ごした著者が電車の運転の全てについて書いたのが本書である。
単に運転技術のみならず車体から架線・レールに至るまで電車を動かす全てのシステムについて述べており、この一冊を読めば電車の運転の概略をつかめることは間違いなしである。機械や電気については多少理解が難しいと思わせる部分もあったが、
とにかく電車という存在の特異性に驚いた。
装置産業ともいえる電車は自動車とはかなりの違いがある。電車は移動手段というより大規模なシステムのもっともわかりやすい(もちろん、もっとも重要な部分だが)一部分に過ぎないということだ。
前を見なくても(前が見えない区間もあるが)とも運転できるというのは新鮮な驚きであった。電車それ自体よりも区間を完全に把握する運転手や正確な運行のために整備された各種設備といった周辺の整備があって初めて運行が可能となるということがよくわかった。電車の運行を背後から支える人的・物的なシステムが如何に精緻に構築されているかは本書を読めば自ずから理解できるであろう。
電車とは移動手段として自動車と対比するのではなく、正確無比な作動が求められることから大規模工場や精密機械との対比こそがより適当であろう。ものつくりが得意な日本において世界に冠たる一大鉄道網が構築されたことはある意味当然のことであったのかもしれない。
本書を手に取る人間の大半は鉄道好きであろうが、それ以外の人々にも是非読んでもらいたい書である。