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狂王ルートヴィヒ―夢の王国の黄昏 (中公文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論社
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はたらかないおうさま ★★★★★
メンヘルの王子様っていうか、はたらけおうさまっていうか
芸術に建築にと国費を浪費していく様は為政者失格であるが
その反面で戦争と政治を忌み嫌い介入をさけたことで
バイエルンの一応の独立を守ることができたらしい、著者はそういってる
ていうか判断を投げて引きこもっていただけなんだけれどもな
ワーグナーの壮大な曲に触発されてノリノリで戦争に介入して
あげくにプロイセンにフルボッコにされていればバイエルンの独立はなかったわけで
そういう意味ではドイツ統一とバイエルンという国を安楽死させるのには
悪くはない巡り合わせだったのかもしれないな
いや別にヴィルヘルム2世と比べていっているわけでは(ry
まあはたらかないおうさまってのも一人ぐらいはいてもいいんじゃないのかな
狂っていなかった、とはお世辞にも思えないのであるが
一ついえることは「勤勉で無能な王様」でなかったということである
どちらかといえば「有能で怠惰な王様」だったのかもしれないな
いや別にヴィルヘルム2世のことを(ry
そもそも戦場ならまだしも王様が勤勉であるなんてことはそうそうないわけで
どっかで富国強兵の先頭に立つべし、って思い込みがあるのだろうな
ちょっと好意的? ★★★☆☆
ノイシュバンシュタイン城を建てたルートヴィヒ2世の伝記です。
ルートヴィヒ2世は,政治から背を向け,国家のお金を湯水のように使い,
自分ひとりのためにオペラを上演させたり,
物語に出てくるような城を作ったり,城の中に幻想的な洞窟を作ったり,と
夢の中に生きてるような人であり,
最後は,精神病だと宣告され,湖で謎の死を遂げました。
その数奇な運命もさることながら,美貌ときてますから,
てっきり面白い話なのかと思って読んだのですが,
正直言って,それほどでもありませんでした。
あくまで「小説」ではなく「伝記」であり,
史実や手紙などに基づき,王の人生の表面を外側からなぞるように淡々と語られています。
しかも,たとえば,普仏戦争の時に,
ルートヴィヒ2世は,「戦争きらい」と言って,なるべくかかわらないようにして
山奥の城で遊んでいたのですが,
それを「日和見主義的な優れた外交的知見」という感じで評価したり,
政治や外交面での行動を随所でほめているのは,ちょっとしっくりしませんでした。
実際,行動を見ていると,王としての政治的能力や責任感があった人とは思えないのです。
作者はかなりルートヴィヒに好意的なんでしょうね。
ですが,現在,ノイシュバンシュタイン城を知らない人はおらず,
ディズニーランドのシンデレラ城のモデルともなるほど有名であることを考えると,
長い目で見れば,こういう奇矯な人物が世の中に現れることも
時には必要なのかもしれません。
実際,ノイシュバンシュタイン城,やっぱり見てみたいですから・・・
城を建てた王様を知るには ★★★★☆
有名な Neuschwanstein城をたてた、ワーグナーのパトロンであった、謎の死をとげたバイエルン王の伝記です。

原作者はルードヴィヒ2世ひいきの立場のようです。
かなり変人だったことは認めるけれど精神疾患だったとは言えない、と書いています。
同性愛だったようだとも認めていますがあまりはっきりと書きたくないらしく、せっかく日記の証拠を引用していながら同性愛表現がどうもボヤけています。
王様として職務放棄(どこにいるか分からないので認可・承認できない)していたけれど、政策自体はそれほど間違ってなかったと書かれています。

この辺がどうもひいきが強くて客観性にかけ、事実がどうだったのか知りたくなります。
とはいえ、作者の思いが伝わるのか読むとルードヴィッヒの味方になってきます。

ワーグナーへのパトロンぶりと、婚約破談の部分はずいぶんしっかり書かれています。

翻訳が読みづらく慣れるまでつらかった(ので星ひとつ減)。
自己を貫いた王者 ★★★★☆
一国を司る王でありながら、己の感情の赴くままに生きた彼。

国政を投げ出し、ただひたすら幻想の王国に逃避したままあの世へ旅立った彼。謎多き国王の真の姿を垣間見る事の出来る貴重な一冊だと思います。自殺か他殺か・・・彼の最期に関する謎も多いに興味をかき立てられました。周りを顧みず自己を愛した王・・・それでも私はこの本を読んで、彼の人間性や暖かさを、より一層感じる事が出来ました。憎みきれない人物です。

バイエルン観光のおともに一冊。 ★★★★☆
 ヘルムート・バーガー主演の映画でまず知った歴史上の人物だったが、その境遇や歴史的背景に惹かれ勢いでこの本を読んだ。
 年代的には明治維新前後から明治20年頃までのはなしで、ドイツではビスマルクによる帝国への統一が画策されている時期だ。その歴史の荒波にもてあそばれ、スタルンベルク湖畔でなぞの死をとげるバイエルン国王ルートヴィヒ二世。

 頭はよかったけれど時代を自分の力でリードするほどの力強さはもたず、その能力は城造りや芸術の(ワーグナーの)庇護へとむかった。日本で言えばちょうど徳川慶喜さんのような役回りではないのかな。

 ミュンヘンやバイエルン地方の観光、特にノイシュバンシュタイン城へ行かれる方やヴィスコンティ監督の映画を観た方、ドイツ帝国の歴史を嗜んでいる人にとって結構楽しめるドキュメントです。何となれば脇役がワーグナーであり、ビスマルクであり、ヘーレンキームゼー城であり、主役も近代ヨーロッパの若き国王であってきっとこの個性の、光と狂気に興をそそられるはずです。