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双六で東海道

価格: ¥1
カテゴリ: 単行本
ブランド: 文藝春秋
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噺家を見ている気分。 ★★★☆☆
数あるエッセイから、図書館では一番新しかった「双六と東海道」を読みました。
いやぁ、文語仮名、慣れれば読めるものですね。
語り口が面白くて読みやすかったです。
すごい話題の豊富さ。それに流されない自分の意見。上手く伝えていく話術。堪能しました。
しかし、色事に触れることが多いこと。これの前に前に読んだ「女ざかり」、若い歴史学者と主人公の娘がベッドインするシーンがあるのですが、エロティックな薫りがするのにどこか軽妙ですごく印象に残っていたのは、そうか、こうやっていつも上手く色事扱ってたからかーとしょうがないことに感心してました。
エスプリの効いたエッセイ ★★★★★
「遅刻論」がおもしろい。武蔵が巌流島の決闘に遅刻したのはなぜかについて…性格が芸術的=農民的であったことが七分。残りの三分は利害打算、じらし作戦。しかし、相手小次郎を引き揚げさせない見定めができたのは天才的であったとみる。「日本遅刻史」上最大の大物は、日米開戦の時、駐米大使館が日米交渉打ち切りの通告文書を、外務省の指定した時刻より一時間二十分も遅れてハル国務長官に手渡したことである。そのせいで日本は騙し討ちをした卑怯な国になったが、今なお責任の所在は分からない。
「ほら、ほら、あの…」とこの人にして、年取ると固有名詞、特に人名を忘れやすいと言う。物忘れの時の名案…犬の言葉が分かる機械ができたように、「忘れた名前を探すグッズ」ができたらいいのにという誰かの提案を紹介している。冗談半分の話の中にも切実さとエスプリが効いている。