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地震予知の科学

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東京大学出版会
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専門的に考えると?が多い ★★★☆☆
地震予知の歴史や最近の地震研究は、だいたい理解できる。川崎先生が他の本でも述べているアスペリティ理論であるが、アスペリティは、不連続岩盤の力学で1990年代から論議され、様々な考えが報告されている。岩盤ばかりでなく、物体の接触面では、凹凸があるので、この考え方の適用は当然考えられる。プレート境界は、単純に考えても地温勾配で3℃/100mで10kmで300℃、地圧は、単位体積重量を3t/m3と仮定して、10kmで30,000t/m2なり、岩盤の挙動は粘弾性になると考えることが妥当であるが、粘弾性体が急激なエネルギー放出するような破壊過程を示すとは考えにくい。また、このような挙動をComputerでSimulationするための構成方程式が示されていない。
一般向けに書かれた本なので、高度な岩盤力学の考えや地質工学を省いていると思われるが、素人の誤解を招くに十分な内容である。
地震予知も夢でない ★★★★★
タイトルからして少々色眼鏡で見ていた。普通の人が考える「地震予知」というと、インチキ話が多いのにウンザリしていたからだ。その「地震予知」が、少なくとも最大規模のプレート境界地震については、科学の射程に入って来たのが説得力を持って解説されている。私の専門も地球物理学に分類されるので、関心を持って地震学の最近の進歩は見ていたし、本書で説得された内容の要素については知っていた。それを、「地震予知」のために体系的にまとめてもらって、現状を把握できた。

その「地震予知」の体系というのは、ここ10年の地震学の発展、特にアスペリティー(断層面で摩擦の強い領域)の認識と、その周辺のゆっくり滑りの発見、それらの事実をフルに用いた地震断層運動のシミュレーションの進歩、によって可能となった、とまとめてあった。それは、以前のカオス現象の予知不能性を元にした地震予知悲観論(私もかなり捕われていた)から脱却するのに十分で、私にも見通しは明るいと感じられた。

いやあ、地震学の最近の進歩ってホントすごいですよ。文章も読みやすいし、専門的な内容もしっかり解説してあるし、興味ある人は是非読んで下さい。
科学の本質が語られている。 ★★★★★
8名の著者による執筆にも係らず,全体として一本の筋の通った良い本になっている.種々の工夫(イラストや漫画、天気予報と地震予知との比較等)がなされていて、この10年間の地震予知研究の進歩を「本当に」一般に理解してもらおうとしているのがわかる.プレート境界で、「ペッタリ」とくっついているところが、大地震をおこす「アスペリティ」と呼ばれるところで、それ以外の部分は「ずるずる」すべっているという表現には何となくわらってしまった。地震予知というと、とかく過大評価されたり、逆に、過小評価されることが多いが、この本のあとがきにあるように、「等身大の地震予知」を知ってほしいという著者たちの熱意が伝わってくる。先端の科学によって、ものごとを予測することの困難さが正直に語られる一方、声高な「断定」の言葉にすがることへの警鐘も述べられている。科学も民主主義同様、面倒くさいものだが、その面倒臭さが大事なのかと変な感想をもってしまった。多くの人にこの本を読んでほしいと思う。
東京大学出版会 ★★★★★
世間では「地震予知などできるわけがない」という批判がある一方で,非科学的な「地震雲」などの地震予知がマスコミに好んで取り上げられる.しかし,地震予知研究は最近の10年間で実に多くの成果を出しているのだ.最も科学的,かつ最先端の成果をわかりやすく解説した決定版.
消防防災専門店 ★★★★★
地震予知はどこまで可能なのか? この10年で大きく進展した地震予知研究の最前線とその歴史をわかりやすく解説。巷に氾濫する「地震予知不可能論」や「地震雲」へも強力に反証した、等身大の地震予知学。