ライトノベル‥なんだそうか。
★☆☆☆☆
読み始めてすぐに思ったのは、なんだろう、この軽い感じ。その昔読んだ氷室冴子を思い出しました。あの頃はまだかわいい中学生だったけど。本は基本的にあまり前評判を知らないで購入することになっているので、『私の男』とセットで購入したのがそもそもの間違い。最近は直木賞受賞後第一作として、文芸書のコーナーにこんな本も並べるのね。
なんだそうか、と流し読みしました。大人にはきついけど中学生にはいいかもね。
やれやれ。
小学生の娘がいたら、手渡したい本です
★★★★☆
鎌倉を舞台に、一人の中学生、荒野(こうや)が少女から大人になっていく物語。
思春期の間は、自分の身体・恋愛・家族の中での自分の位置付けなんかが
いちいち気になって、いちいち翻弄され騒いでいたなぁと
思い出しました。おとなになるとすっかり忘れてしまうものなんですね。
荒野もそんなごく普通の少女ですが、そんないろいろな思春期の「ゆらぎ」に
背伸びもせず、背きもせず、丁寧に、大切におとなの階段をのぼってゆきます。
すでにおとなになってしまった自身にとって、この本は正直、
過ぎ去りし若かりし頃を甘酸っぱくありありと思い出すもの、
これから思春期の女の子がいたらぜひ手渡したいなぁと思うもので、
それ以上でも、それ以下でもありません。
ですがやはり桜庭さんの書く、大人になる前の少女は、誰よりも
リアルで、可愛くて、切なくて、危なげで、いいです。
レモンの匂いが香ってくるよう。若返る感じがします(笑)
そして荒野の父親の
「日々、ときめくというのは素敵なことなんだ、
大人という生き物は、そう、ときめかないし、そうなってからのほうが
人生は長い」という言葉に、なんとなくハッとさせられました。
可もなく不可もなく…
★★★☆☆
「少女七竈と七人の可愛そうな大人」 「青年のための読書クラブ」 を読んで、この本も期待して読みましたが…
感想は、可もなく不可もなく。
著者の作品には、少女から大人になる過程の心境の変化などがよく描かれていますね。
そこは素晴らしいと思いました。
でも、主人公がいつまでたっても自分のことを『私』じゃなく『荒野』と名前で呼ぶ…
それが作中ちょっと嫌でした。
大人よりも10代の子、あと男性よりも女性に読んでほしい本です。
第3部を加えて完結
★★★★☆
「荒野の恋」(三部作)の完結編。しかし、特殊な出版の過程をたどった作品であった。第一部と第二部はファミ通文庫から出たものの、第三部はしばらく書かれず、2008年になって文藝春秋から、第一部〜第三部合冊(第三部は書き下ろし)の単行本が出版された。タイトルも微妙に変わって『荒野』となった。それが本書である。こういう出し方はちょっと…。なお、第一部、第二部の部分についても加筆修正が行われているようだ。
ここでは第三部の感想を中心に書きたい。完結編ということで、荒野が少女から大人の女へ変貌を遂げていく過程が完成する。「女」というものが、こんなに不気味で恐ろしいものかと思うと、ぞっとする。少女たちは、大人の女への恐怖感というものを、こんな風に抱いてるものなのだろうか。ただ、第一部にあったような緊迫感というか、不条理さがなくなっているような気がする。
悪い作品ではないと思うのだが、『荒野の恋』の第一部、第二部と読んできた人間からすると、単行本に手を出すのはけっこうためらわれる。
鎌倉が舞台だけれど?
★★☆☆☆
もう少し鎌倉という雰囲気をだして貰いたかった。あと物語性がもう少しないと500ページを読むのが退屈なのでは?ページからして太宰の短編、女生徒の5倍以上を要望してしまうのはやっぱり欲張りかな???