十津川警部VS復讐鬼?
★★★★★
あくまで私個人の意見です。
ストーリーは製薬会社の元・研究室長が新宿のマンションで刺殺され、捜査する十津川は彼が以前に遠野で特別天然記念物の高山植物を取って警察沙汰を起こしていた事実を知ります。
何故、その男がそのような事をしたのか? 十津川警部達は遠野へ向かい捜査を開始します。
物語はその男の娘も巻き込んで、5年前に起こった「心臓病の特効薬を開発し、副作用で5人の死者を出し、その男が会社を辞めていた」というこの物語の核心部分に入っていきます。さらに殺人事件が発生し、十津川はある人物に焦点を当てます。
果たして、犯人はこの薬の副作用で殺された遺族なのか? 父親を思う娘と十津川警部達の人情厚い捜査が展開されます。
この物語は薬害をテーマに展開するといったお堅いストーリーではなく、あくまでもスパイス的な要素であることが読んでいてそう感じました。
最終章では意外な結末と、製薬会社の元・研究室長の男の本当の意思が判り、最後まで飽きない、登場人物それぞれの人間性を描いた面白い作品だなと思いました。
単純なストーリーではないので私はお勧めです。