Out of Exile
価格: ¥1,132
短命なスーパーグループ/サイドプロジェクトになるだろうという大方の予想をくつがえし、オーディオスレイヴは好ましいことに真のバンドとなった。将来有望だが、芸術性は固まっていたとは言えない2002年のデビュー作に続く本作では、シンガー/ソングライターのクリス・コーネルが、かつて在籍したサウンドガーデンでやれただろう曲を歌いつつ、その一方でギタリストのトム・モレロと元レイジ・アゲインスト・マシーンのバンド仲間たちが集中したリズミカルなグルーヴを紡ぎ出し、オールドスクールもまだタイムリーなレッスンをひとつ、ふたつは担当できるのだと誇示している。
まるで葬儀のような催眠効果のあるブルースの「Heaven's Dead」、攻撃的なメタルで反戦歌の「Your Time Has Come」、自虐的なアンセムの「The Worm」とコーネルのベストな曲はまだ暗がりに潜んでいるかもしれないが、「Dandelion」「Doesn't Remind Me」では驚くほど明るい光を放って輝き、実存主義者の白日夢が描かれ、「Be Yourself」はフックの効いた危険なほど楽天的な将来を夢見る力強いバラードとなっている。アルバム・タイトル曲を始めとする曲の数々で、モレロの仕事はテイストと無駄を落とした効率性の実験となり、こうした90年代のアイコン的スターたちが、いかに努力をして自分たちのエゴを昇華させ、新しい音楽を花開かせたか物語っている。アメリカの(ロック)ライヴに第2幕はないなどとは、誰にも言わせない。(Jerry McCulley, Amazon.com)