Still Live (Ogv) [12 inch Analog]
価格: ¥5,475
キース・ジャレットがゲイリー・ピーコック&ジャック・ディジョネットと組んで、スタンダーズ・トリオをスタートさせたのは83年。キースに限らず、80年代はスタンダード全盛の時代だった。リンダ・ロンシュタット、カーリー・サイモン、リッキー・リー・ジョーンズといったポップ歌手たちも、こぞってスタンダード集を録音した。そういう時代だっただけに、キースのスタンダーズ・トリオは熱烈大歓迎された。それまでオリジナルで勝負してきたキースが、オーソドックスなトリオ編成で誰もが知っているスタンダードを演奏するというのだから、これは一大事件だった。
本作は86年、ミュンヘンでのコンサートを収録したスタンダーズ・トリオ最初の2枚組作品。たとえスタンダードを演奏しても、キースが弾くと、そこにはこれまで聴いたことのない未知の世界があらわれる。もはやスタンダードの解釈などという次元を越えたキース固有の音楽がそこにある。歌ものスタンダードのほか、チャーリー・パーカーのビバップ曲を取り上げているのも興味津々だ。(市川正二)