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左腕の誇り―江夏豊自伝 (新潮文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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「問題児」自らの手による自叙伝 ★★★★★
 阪神・南海・広島・日本ハム・西武と渡り歩いた野球人生が物語っている
とおり、江夏は扱いにくい選手であった。その江夏の自叙伝ということで、
たいへん興味をもって読み始めた。プロ入りまでの生い立ちについても詳し
く書かれているが、驚くほど謙虚で、自らの実力を過信していない。
 プロ入り後数々の逸話、伝説、記録を残しているが、その真相を知ること
もできた。
 自分は日本ハム時代の、どちらかというと晩年の江夏しか知らないが、
最後まで興味深く読むことができた。

 構成担当の 波多野勝氏による解説は余計であった。必要なし。
やはり孤高の人 ★★★★☆
江夏の21球はもちろんのこと、
オールスター9連続三振、自らのホームランで達成したノーヒットノーランもこの目で見たが、
昭和45年から野球を見だした私は、この本を読んで、江夏の全盛期を見ていないことに気づかされた。
私の中での江夏というのは、速球派というイメージをひきずった技巧派投手であった。
この本を読んで入団2年目の江夏がどうしても見たくなった。

昭和48年の選センバツで全国にデビューした江川の球とどちらが、すごかったのだろう。
あの選抜、作新対北陽。大阪人の私は、江川が投げるまで、有田(後の巨人投手)擁する北陽の勝利を信じて疑わなかったが、
江川の投球練習を見て、こんなボール打てるわけがないと思った。
メジャーも含めて、あんなボールを投げた投手は、江川以外知らない。
キューバのチャプマンが163キロといったところで、速いだけで、さほどの威力は感じない。
とにかく、めちゃめちゃボールが大きく見えた。
有田とてけっして遅くはないボールを投げたが、所詮野球のボール。
江川の投げるボールはスピードもさることながら、まるでドッジボールが向かってくる感じだった。
(当時のテレビ中継は、今と違って捕手側から撮影していた)
テレビの前で思わずのけぞったことを覚えている。
バッターがよく打席に立てていたと思う。
おそらく、ボールが周りの空気を巻き込んで、大きく見せていたと思う。

さて、あの江川と、2年目の江夏はどちらがすごかったのだろう。

覚せい剤でとんだ味噌をつけた江夏だが、
特定の球団に属さず、
家庭教師のようなピッチングコーチというのはどうだろう。
大野を育てたように、かなりいい投手を育てると思うのだが。
ただ、江夏の影が付きまとうことを嫌がる球団や選手は多いと思うが。

本書では、江夏はテレビ解説が苦手となっているが、
選手を呼び捨てにせず、「〜選手」という江夏の解説は、
的を射た解説が多かったと思う。

この本では、覚せい剤のことをさらっと流してしまっているが、
そこをもっと掘り下げてほしかった。
その分星をひとつ減らした。

純真さと弱さを持ち合わせた大投手の聞き書き ★★★★★
江夏らしいな、というのが感想です。
覚せい剤に手を出したのは死んでも許されることではないが、服役しきちんと更生したこれだけの選手を使わないのはどういうことなんでしょうね。
入団2年目の凄さは、あの時代の野球少年の心に深く刻まれています。本人は鈴木啓示をベストピッチャーに選んでいますが、やはりV9時代のベストワンは江夏でしょう。
江夏自身が語る「偉大なる江夏」の伝説 ★★★★★
シーズン401奪三振日本記録(現在活躍している巨人の工藤公康、上原浩治でさえ200に達したことがない。あの「ドクターK」といわれた野茂英雄でさえ400どころか300に達したことはない。)、オールスター9連続三振、「江夏の21球」。数々の記録と伝説を残した江夏豊の18年間におよぶ野球人生を彼の言葉を中心にまとめあげている。NHK「熱球の伝説」(ドキュメント スポーツ大陸)でも彼の偉大さはまざまざと描かれていたが、これはそれとはまた違った観点で興味深い。若い頃のピッチングはいかにしてバッターを三振にうちとるかを中心にしたものであったのに対し、現役後半期からはいかに少ない投球でバッターをうちとるかにそのウェイトをおいたという。力でおすピッチングで活躍したように思われがちだが、実は相当な研究熱心であったことも興味深い。生まれつきの心臓疾患、血行障害。現役晩年はまさに満身創痍。阪神からは追い出されるようなトレード。広岡達朗監督との確執。順風満帆とはいえない紆余曲折の半生だが、それと格闘した江夏の生き方には感動を覚える。
職人気質を理解するために ★★★★☆
 最初、江夏豊という投手のことをに興味があって本書を読み始めました。内容はうまく構成され、書き手(本人ではありません)の文章力も豊かなので充実したものになっています。
 しかし、途中から別の視点でこの本を読むことになって行きます。すなわち、職人気質、反骨精神、(良くも悪くも)斜に構えた性格を持った人間のモノの考え方、捉え方という点に注目し始めました。
 年功序列が過去のものとなり、年上のこういった性格を持った先輩を部下に持つというようなことがどんどん起きるようになってきます。
 明らかに、育った環境が違う、会社の考え方も今と昔では少し違うなかで、こういう方に対する接し方-そういう点で参考になるような気がしました。