この一冊で消費税の知識を十分得られる
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「超」シリーズで有名な著者による『「超」税金学講座』。
知っているようで意外と知られていない消費税の仕組みを非常に分かりやすく説き起こし、日本の消費税の問題点、さらに発展させて日本における税制の矛盾点や問題点を指摘しています。私も税務の実務経験あるので益税の発生メカニズムは認識してましたが、そこまで色々な問題を引き起こすとまで発展して考えませんでした。現実的にすぐ実行可能かどうかは別として、一考に価する問題提起が溢れていますので一読の価値ありです。
日本もインボイスを導入すべき!
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この本を読んで、「私たちが納めた消費税は全額納税される訳ではない」ということを、初めて知りました。本来なら消費税とセットで導入されるべき「インボイス」という制度が導入されていないため、納税を免除されている企業や個人は実質的に「増益」なのだそうです。
このような事実を隠したままで消費税率を上げるなど、絶対に許せません!
まずはインボイスを導入し、一切の例外なく私たちが納めた消費税を全額納税させるべきです。それでも財源が不足するときに初めて、消費税率について議論すべきだと思います。
政治家の皆さんはお金持ちですから、私たち「庶民」の苦しみがわからないのではありませんか?
消費税の問題点を通して日本の税制を考える
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『「超」整理法』シリーズの著者にして高名な経済学者による税金論。前半は消費税への言及にスペースを割き、そこから土地税制など全般的な税制の話に拡がり、最後は「包括的所得税」「支出税」といった課税ベースにまで言及している。 野口氏が語る日本経済論は、秀逸なものとトンデモなものが玉石混合であるため、トピックによって内容の吟味を読み手に強いるが、本書は、著者の本来の専門分野である公共経済学・租税論の範疇だけに、安心して読める。やはり「餅は餅屋」といったところか。
昨今は、年金未納問題や消えた年金問題を受けて、「消費税にすれば未納がなくなる」「消費税なら高齢者からも負担を求められる」とばかりに公的年金制度の税方式化(福祉目的消費税など)がまたぞろ叫ばれているが、現行の消費税が抱える数々の課題(益税問題、インボイスの欠如etc)を手当てせず単純に税方式に移行したところで、真の公平性・中立性の達成には程遠い。税方式推進論者は、せめて本書の第1〜3章だけでも目を通すべき。
2度読む価値あり
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税制と言えば、新聞やニュースでその言葉を見ない日がないくらい話題に上っていますが、その中身を知らない人は多いのではないでしょうか。
この本は難解(であると思われている?)税制を
平易に解説しており、まるで上質の小説を読んでいるようです。
僕はまったくの素人理系サラリーマンですが、もう一度読み返してキチンと理解しようと思いました。
単に欠陥を批判するのではなく、提案しているところもスバラシイ。
付加価値税がフランスの3大発明だなんてこの本で初めて知りました。