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医薬品クライシス―78兆円市場の激震 (新潮新書)

価格: ¥735
カテゴリ: 新書
ブランド: 新潮社
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メガファーマに対する認識 ★★★★☆
新書であるが読み応えがある。専門的な知識いらないしサラサラと読める。製薬業界といっても実は幅広いのだがその現状をわかりやすく紹介してくれる。例えば研究開発の現場を描いたくだりは迫力がある。長期間にわたり針の穴にラクダを通すような作業をひたすら繰り返しているのだ。また、メガファーマ化のトレンドは負の面が多いという指摘はユニークで納得感がある。そして、低分子からタンパク質で作った抗体医薬というパラダイムシフトが進みつつあり、いずれはiPSなどの核酸医薬へという流れは止めていけないという主張も面白い。われわれ医療関係者に新たな視点を与えてくれる良書だ。
薬学生が読む ★★★☆☆
薬学部5年生のレビューです。
医薬品業界の全体としての流れが分かります。
先発医薬品、特に低分子医薬品から後発医薬品、高分子医薬品、抗体医薬品など。
著者が研究者上がりで、研究や開発の視点から医薬品業界である。

医薬品の価値について再確認しました。
医薬品の持つ価値はその背景にある「情報」に対して付けられているということです。
その情報を得るために先発メーカーは医薬品開発の過程で
臨床試験のデータをもとに膨大なデータを、数百億円ものコストを投じていると言う事なしには説明できません。

これと対象的なのがジェネリックで、先発医薬品と同等のデータ、情報を持っていません。
また、実際に医療現場では先発メーカーは多くのMR(というコスト)を投じて製品の情報を管理し、医療の適正な管理、分配に貢献してます。
一方で、後発メーカーはこの点に関して情報力が弱く、一つ問題となっています。

これは、先発メーカー医薬品を評価する上で単純にジェネリック推進するという流れに一つ疑問視する観点になり得るのではないでしょうか。
22年度、さらにGEを推進すると言う中で日本国内で創薬分野を守り、育てる経済誘導的政策として新薬創出加算が新設されました。
これは日本は創薬の技術を評価しているとみれますが、物質的な側面以上に医薬品の価値はその医薬品の持つ「情報」であるとするならば、その情報を評価するシステムが必要だと感じました。
実感としてあるのは、医療の適切な分配が医療業界に必要というのがあります。
現在ある医薬品の情報を磨き育てるという枠組みを改めて認めることが医療のコストを下げ、国家の医療負担を削減し、延いては医療レベルを上げるなど、医療に貢献するのは情報だという認識がまだ根付いていないと認識させられました。
わかりやすい ★★★★★
私は医師ですが、こんなにわかりやすい本ははじめてです。

薬の作用点の問題、なぜ分子量を下げなければならないのか・・・等々。
新薬の開発状況についても、日常診療から考えて納得がいきます。

まだ医学の進歩は止まったとは思いませんが、すでにピーク近くにある
のではないかと常々思っています。もちろん、誰かがすごいブレーク
スルーをもたらしてくれるかもしれませんが・・・

現時点での医療を知るのに最適な本のひとつだと思います。
誰によんでほしいか ★★★★★
内容に関しては他の方が詳しく説明してくれているので…

この本、オススメです。
理系の出身の方や医療関係者の方などは共感しながら読み進めていくことができたのではと思います。

是非、今まで実験・研究に触れてこなかった人に読んでいただきたいです。

薬は万能ではないこと、また、その新薬開発にもブームがあることなど、そもそも薬の<原価>なんてタダ同然であること…

錠剤に詰まっている普段の生活している上では見えてこないことを教えてくれます。

薬局の待合室やドラッグストアにおいてあったらつい手がでてしまうのでは?

知的好奇心を120%満たしてくれる本 ★★★★★
著者は、元大手製薬会社の創薬研究者であり、サイエンスライターとして活躍されている方だけあって、創薬の現場から認可の現状、また世界の医薬品会社をとりまくM&Aの実態まで、所々深く、そして広く、読者の興味に十分に応えてくれる良書である。

第1章では、薬とは一体何なのかという疑問に答えてくれ、
第2章では、成功率がはてしなく小さいけれども魅力に満ちた創薬の世界を描き、
第3章では、医薬の副作用について、効用と折り合いをつけながら選択することの重要さを、
第4章では、M&Aが進む世界の製薬業界の現在を、
第5章では、2010年問題と呼ばれる、各メーカーのトップセラーたちの特許が切れた後に、どんな可能性が残っているのかを、
そして第6章では、新薬が大手製薬会社からではなく小さなベンチャーから生み出されていること、全く新しい発想の抗体医薬の出現、それに続くであろう「核酸医薬」やiPS細胞など、かすかな希望を提示して、好感の持てるまとめかたをしている。