予想通りの展開だ。ディーバへの野望も大げさなプロデュースも抜きの『Heart Shaped World』で、1999年にデビューしたティーンアイドル、ジェシカ・アンドリュース。彼女も誘惑には勝てなかったか。しかしダメになったわけではない。フェイス・ヒル大成功の立役者バイロン・ガリモアの力を借りてアーティストへの脱皮を目指しているのだ。今回『Dawson's Creek』のサントラにも1曲提供（ラストの「Show Me Heaven」）と、リアン・ライムズと同じパターンを狙っているようだ。ファースト・アルバムで感じられた爽やかな純真さや情感、控えめな魅力は消え、作られた感情とLAポップ風の健康的な歌詞が全体を占めている。「I Don't Like Anyone」で聴かれる「アー、アー、アー」はその典型。とはいえ一般的に見れば、元気なポップスは受けるだろう。免許取り立てのような年ごろの子が歌うのだから。広い心で聴いてあげてほしい。(Alanna Nash, Amazon.co.uk)