だが本作『Good News For People Who Love Bad News』では、フロントマンであるブロックがようやく地に足を付け、バンド(創立メンバーでドラマーのジェレマイア・グリーンが脱退)もそれに足並みをそろえている。そこはかとなくではあるが、彼らの姿勢からリラックスした雰囲気が感じ取れるのだ。2000年のメジャー・デビュー・アルバム『The Moon & Antarctica』の内容を継承して、「Float On」や「The Ocean Breathes Salty」のようなパンクっぽい大曲では、崩れ落ちそうなメロディーがブラスと火花を散らす。歌詞はシンプルになり、アレンジはこなれてきたが、バイタリティーは健在だ。
モデスト・マウスがとてつもない事をやってのけた――本作からは、そんな実感がひしひしと伝わってくる。デヴィッド・グレイとはまったく異なるサウンドを持つ、均整の取れた、愛すべきアルバムだ。(Aidin Vaziri, Amazon.com)