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Good News for People Who Love Bad News

価格: ¥844
カテゴリ: CD
ブランド: Sony
Amazon.co.jpで確認
   モデスト・マウスが真のバンドらしい音を出し始めたのは、いつからだったろうか。ボーカルとソングライティング担当のアイザック・ブロックが1人で目立ちまくって、既存のルールを無視し、勢いと創意を爆発させる――そう見えた時期が、ずいぶん長い間続いた。このバンドの初期作品にあたる1996年の『This Is A Long Drive For Someone With Nothing To Think About』や1997年の『Lonesome Crowded West』に比べれば、あのぺイブメントすらも、どちらかといえば平凡なグループに思えたぐらいだ。

   だが本作『Good News For People Who Love Bad News』では、フロントマンであるブロックがようやく地に足を付け、バンド(創立メンバーでドラマーのジェレマイア・グリーンが脱退)もそれに足並みをそろえている。そこはかとなくではあるが、彼らの姿勢からリラックスした雰囲気が感じ取れるのだ。2000年のメジャー・デビュー・アルバム『The Moon & Antarctica』の内容を継承して、「Float On」や「The Ocean Breathes Salty」のようなパンクっぽい大曲では、崩れ落ちそうなメロディーがブラスと火花を散らす。歌詞はシンプルになり、アレンジはこなれてきたが、バイタリティーは健在だ。

   モデスト・マウスがとてつもない事をやってのけた――本作からは、そんな実感がひしひしと伝わってくる。デヴィッド・グレイとはまったく異なるサウンドを持つ、均整の取れた、愛すべきアルバムだ。(Aidin Vaziri, Amazon.com)