そんな中、毒婦船虫登場。
馬琴は戦闘シーンより、こういう一癖も二癖もある小悪党の描き方がうまいですね。
悪党なのだが、犬士に返り討ちにされた夫の仇を討とうとしたり。
女の暗い情の部分には、非常なリアリティがあります。
「三銃士」のミレディーみたいな役どころなわけですが、こちらはそんな美人じゃない。
顔立ちはまあまあだが、立ち居振舞いは男勝り。
そんな点もまたリアルであります。
この巻では女装の美犬士犬坂毛野胤智と、馬琴の友人!がモデルと言われる犬村大角礼儀が登場。
岩波に限らず他の出版社からも八犬伝は出ているので、機会があったら手にとって欲しいですね。