伝統的なトップ40ラジオの冒険心に富んだ折衷主義を楽しめる人ならば、2004年のもっとも記憶に残るヒット20曲収録の多彩なコンピレーションを楽しめるだろう。U2がエネルギッシュにルーツに戻った「Vertigo」、グウェン・ステファニーの80年代ロックを探るソロのブレイクとなった「What Are You Waiting For」、ティーン・ポップのリンゼイ・ローハンの「Rumors」から、ミスター・ディズル、スヌープ・ドッグがファレルの協力を得た典型的なレイドバック・グルーヴの「Drop It Like It's Hot」、そして意外なカントリー・アーバンのネリーとティム・マッグロウの燃えあがるようなデュエット「Over and Over」まで、すべてを取りそろえている。

   このコレクションはコンテンポラリーR&B風のヒット、オマリオンの「O」、アシャンティの「Only U」、ジョン・レジェンドの「Used to Love U」と続く。ハウイー・デイの情緒的でアダルト・オルタナティヴな傑出した「Collide」、フーバスタンクのしゃれたカリ・ポップ、シェヴェルのモダン・ロック、スリー・デイズ・グレース、それにレニー・クラヴィッツの図太いリズムの「Lady」のように異質なものまで収録する余裕がある。フリッキン・Aはリック・スプリングフィールドの「Jessie's Girl」を80年代のオリジナルの安っぽい魅力をそのままに受け継ぐカバーを披露、一方、カナダのスカイ・スウィートナムはスパンキーなポップ・パンクの「Tangled Up in Me」を歌い、オーストラリアのキース・アーバンが2004年のコンテンポラリー・カントリーの名曲「You're My Better Half」で、このアンソロジーをアップビートな国境の垣根を取りはらった歌で締めくくっている。（Jerry McCulley, Amazon.com）