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自然界にひそむ「5」の謎 (ちくまプリマーブックス)

価格: ¥846
カテゴリ: 単行本
ブランド: 筑摩書房
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数学する人って ★★★★☆
数学者って面白い人種なんだなー、というのが最初の印象。
「調べるまで私は貝は海のなかを魚のように泳いでいるものと思っていた」とか、「これがシクラメンの花だと初めて知った」などと書いてあるのを見ると、日常生活大丈夫なんじゃろか?と余所事ながら心配にすらなります。しかしまた「卵はなぜ卵型なんだろう?」とか、「ヒトデはなぜ5本足が多いか?」などを追求するところを見ると、著者一流のレトリックを割り引いて考えても、普段は茫洋としていて、なにかを疑問に思うとどこまでも追求するタイプの方なのかな?とホレボレしますね。
・・・でこの本ですが、その疑問の持ち方、追求の仕方、調べ方はとても面白いです。
植物の成長点がドーム状になるはずだから平面構成基本の6角形連続(蜂の巣の断面のような)ではなくて、五角形を挟むサッカーボール型の細胞配置がいいだろう、植物に五弁花が多いのはそのせいではないか?などという発想は生物学者にはなかなか出ないのではないでしょうか?またヒトデの卵割の話もしかり。

しかし、本書で本当にそれらの問いが解決するか?ということについては、否といわざるを得ません。本当かも知れないし間違いかもしれない、と著者も言っている通りなのですが、思考実験による仮説は見事なのですが、アイデアの提示で終わっているのは、もっと緻密な実証が展開されている本を読むつもりでいた身には辛いです。俺みたいに物事に疑問を持って追求してごらん、という考えなのかな?エッセーはこのていどのものでもいい、という考えなのかな?

たしかに面白いですよ、ものすごく。だからこそこの問題を生物学者が更に追求した本があったらなあ!と嘆息するものですが。
なぜ「5」なのか! ★★★★☆
なぜ自然界で5が選ばれているのかを、徹底的に調べ上げた本である。

この本に書いてあることが、必ずしも正しいというわけではないだろうが、その解明過程はまるでミステリー小説のようで、読んでいてぐいぐい引き込まれる。学術的な内容でありながら、決して難解ではなく、むしろ読みやすい。ヒトデやウニといった身近なものへの疑問の追求から、最終的には、ノーベル化学賞を受賞した炭素構造の、フラーレンC60にまで話は発展する。真理は身近なところに転がっているのだ。しかし何よりも驚くのが、著者の研究に対する情熱の深さだ。疑問が浮かぶと仮説をたて、図書館でひたすら調査する。得られた結果をありとあらゆる方向から検討し、新たな展望をたてる。確かに真理は身近に転がっているが、それを発見し、暖め、羽化させるのは並大抵のことではないのだ。

自然界の推理小説 ★★★★☆
 まるで推理小説を読んでいるような感覚で、あっという間に読んでしまいました。「なぜヒトデの足は5本なのか」という問いに始まり、ウニやミツバチの巣、花火にまでヒントを得てその謎に迫っていきます。最終的に、フラーレンC60という、ノーベル賞に輝いた炭素の分子構造の話にまで発展したときには、もう驚きを通り越して感動すら覚えました。もちろん、著者個人の推測や調査によって導き出された「研究結果」ですから、これが絶対に正しいというわけではありませんが、その飽くなき探究心は素晴らしいと思います。途中、少し難しい計算式などが出てきますが、ちょっととばして読んでしまっても問題はありません。

 実際、身近なところに疑問や謎はいくつでも転がっているのです。それを見つけなおして、謎を解き進むことがもう「研究」だと思います。大学の研究室に属していなくても、誰でも研究ができます。それが何であれ、何年もかかって一つのことをやりとげることは素晴らしいという、人生の指南書でもあると思います。