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藤原正彦の人生案内

価格: ¥1,260
カテゴリ: 単行本
ブランド: 中央公論新社
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数学者らしい明確さと優しさ ★★★★☆
お茶の水大学理学部(数学)教授(現名誉教授)であり、ベストセラー「国家の品格」の著者である藤原正彦先生が、読売新聞の「人生案内」で読者からの相談事を通したやりとりをまとめたものです。

藤原先生の回答は、数学者らしく曖昧さが無いところが魅力。時には悩んでいる人にはキツイ言い方かも?と思うようなところもあります。例えば、子どもの事に関する親への回答の中に「それはあなたが甘やかしてきた結果であり、それは我慢しなければならない」とか若者が学校や会社を辞めたいというようなことには「あなたは、全くの優柔不断で・・・」等とバッサリ。
ただ、全ての回答がそうですが、それぞれの方々の将来に向かっての後押しとなる言葉で終わっていることと、自分の答えには責任をもっている感じがするのでいやな感じはしません。

最後の2章は奥様からの相談に答えることになっていますが、非常にユーモアある回答で、いいオマケがついていた気がしました。

皆さんからの悩み自体は決して軽くないものなので、気軽な気持で読めるかどうかはありますが、相談には自分に思い当たるものありますので、そんな時に藤原先生がどのように答えているのか?などと思いながら読むのも楽しいことだと思います。
無常識であるが故に既成概念に捉われず、数学者ならではの論理展開と倫理観で一刀両断! ★★★★★
 本書は、ミリオンセラー「国家の品格」の著者である藤原正彦氏が、読売新聞の「人生案内」に2年強にわたって回答した内容を、相談者の年齢に分類した上で1冊の本にまとめたものである。
 有難いことに、Q&Aが2ページでまとめられている。そのため、ページをいちいち捲る必要も無く、本を開くだけでひとつの相談と回答が書かれているので、スラスラと読み進めることができる。ちなみに、読者からの相談は右ページ、それに対する著者の回答は左ページである。

 著者は、自らを「無常識」人であると考えている。しかし、無常識であるが故に既成概念にとらわれず、回答は数学者らしく論理的だった。そのため、回答を読んでいるうちに方程式を解いているような錯覚に襲われた。
 数学者としての論理展開に加え、ミリオンセラーとなった「国家の品格」でも書かれているように日本人としての価値観が上手くミックスしている。そのため、非常識と無常識では大きく異なることが理解できるだろう。

 本書では72の質問がある。いずれも身近な問題だが、以下に特に印象に残っている質問のタイトル、並びに質問に対する著者の回答を2つ紹介する。

Q1.勉強内容に興味が持てない21歳(大学を卒業すべきか否か)
A1.卒業すべき。現状では、親孝行が半生を正当化する唯一の道

Q2.二十歳代半ば、何を心の支えに(これまでの心の支えは勉強だった…)
A2.何年もかけてゆっくり探していけば良い。

 最後に、本書は他の人生相談とは内容が異なり、ユニークな視点からシンプルに回答している。よって、評価としては★★★★★が妥当だと考える。
人生いろいろですね! ★★★★☆
藤原正彦先生の回答内容を、興味深く読ませてもらいました。
相談者の相談内容が、文書で、また、藤原先生の回答も文書のため、相談者の真意がどれだけ藤原先生に伝わり、藤原先生の回答内容が、どれだけ相談者に理解されたかという不安があるのは事実でしょう。
これらを考慮しても、相談者に参考となったところは多いのではないでしょうか。
読者として参考になるところが多くあります。人間誰しも、悩みを持っています。
藤原先生の言葉は手厳しい。でも自立する人間に絶対の価値を置くからこその手厳しさは大いに頷ける ★★★★☆
 昨2006年のベストセラー「国家の品格」の著者・藤原正彦氏が、読売新聞の人生相談コーナーに執筆した回答を相談とともに70余りまとめたものです。

 人は相談相手を選んだ瞬間に相談に対する回答をある程度期待してしまっている、といったのは、サルトルだったでしょうか。(違ったかな?)本書に登場する相談者たちは、日々の生活に大きな迷いや激しい焦りを感じている人ばかりですが、どことなく、優しい言葉が返ってくることを最初から期待しているような弱々しさを抱えているように見えます。
 そんな恐る恐るといった気持ちの相談者にしてみると、藤原先生が打ち返す言葉は思いのほか厳しいものに映るのではないでしょうか。

 一例を挙げるならば、仕事も趣味も人間関係も飽きっぽくて情けない私は甘ったれでしょうか、と尋ねるA子さんには、「その通り、あなたは甘ったれのわがまま娘」だと一刀両断。「歯を食いしばることなしに生きて行くことはできない、ということを胸に叩き込まない限り、今後の望みはありません」と畳み掛けます。

 藤原先生が見る世間や世界は大変苛烈なものです。ロボットではなく個性をもった人間が生きているのだから無意識のうちに他人を傷つけ、傷つけられる可能性はあるもの。そこには純粋な黒や純粋な白などといったものは存在せず、むしろ正の中に邪があり、邪の中に正がある。だから、友達の多い積極的で明るい子が良い子だという考えや、正邪善悪の二項対立の図式で世の中を見る悪いクセを捨てないと、柔軟な思考が出来なくなると諭します。

 人生は時に理不尽で、やるせなく、やりきれないもの。でもだからこそ、誰かに頼り切るのではなく、時間をかけても良いから自分で切り開いていってこそ、充実した生を全うできる。本書を読んでいると、そんな風に藤原先生に叱咤激励されているような気になります。
 背筋がぴんと伸びる思いがしました。
人生は自分でつくる ★★★★☆
相談内容は文章にすると、別に相談してもしょうがないような気がします。でも、迷ったときにこうだ、と断定してもらうと動きやすいですね。著者の奥様が「夫のことを藤原正彦先生に相談しなくては」というのが笑えます。