いわゆるブラックミュージックと称されるものすべてのエキスがブレンドされた、90年の佳作である。さまざま問題を提議したメッセージ色の強い内容となっているが、後光がさすような清らかさも感じられ、煩悩（ぼんのう）を捨てて味わいたい1枚である。
   レナード・コーエンの作品に新たな詞をのせた<13>は、ユーリズミックスのデイヴ・スチュワートがプロデュース、<7>にはソングライターとしてU2のボーノの名が見られるなど、ビッグネームも多数参加。彼らの音楽を愛しむミュージシャンたちが、いかに多いかということも理解できる。（春野丸緒）