この2枚組ライヴ・コレクション(2002年の『California Crossing』ツアー中に録音)は、フー・マンチューのハイ・テンションなグルーヴ・メタルの魅力を知らない人たちにとって格好のガイドになるだろう。ボブ・バルチが執拗(しつよう)に繰り出すリフ、スコット・ヒルのどこまでも衰えることのないヴォーカル・エネルギー、ベーシストのブラッド・デイヴィスとドラマーのスコット・リーダーによる化け物じみたリズム・セクションが聴きどころとなる本作は、レコーディング活動でカルト的な人気を築いてきた彼らの10年間を振り返るライヴ・アンソロジーだ。それ以上に、激しいことで有名な彼らのライヴのショーケースであり、近年出た中ではもっとも出来のいいライヴ・アルバムのひとつである。「Boogie Van」から始まり、「Laserblast」、「Hell on Wheels」、それに他愛もない馬鹿騒ぎの中にブルー・オイスター・カルトの影響が明らかに見える「Godzilla」まで、頭でっかちのリスナーが腰を抜かしそうな爆発力をもった作品だ。(Jerry McCulley, Amazon.com)