Bodily Functions
価格: ¥1,359
ラジオ、ボトル、トースターなど、日常のさまざまな「音」を利用して独自の音響テクノ、ハウスをつくり出してきた、マシュー・ハーバート。ビョーク『Vespertine』にプロデューサーとして抜擢され、進境著しい彼のハーバート名義では3作目となるこのアルバムは、しっとりとした雰囲気が漂う極上のジャズ、ハウス・ミュージックを奏でている。
ほぼ全編にわたり、女性ボーカルのダニ・シシリアーノとピアノのフィル・パーネルを起用。さまざまな生活音がサンプリングされたハーバート独特の遊び心あふれたトラックに、ダニのアンニュイな歌声、フィルの美しくせつない演奏が栄え、非常に音楽性の高い楽曲を生み出すことに成功している。
マイナーからメジャーへのメロディーの変化が感動的な<2>、オールド・ファッションなジャズ<5><7><10>、先行シングルとして世界中のDJにヘビー・プレイされたメランコリックなテック・ハウス<6>、ハーバートらしいキッチュなトラックが聴ける<8>など、各曲とも、ジャンル超えた多くのリスナーの心に響くだけのポピュラリティを備えている。ともすればこれまでシーンで異端視されてきた、異能のプロデューサーが贈る会心のアルバム。(山田次郎)