次期首相に誰がふさわしいのか?
★★★★★
良書である。
渡部昇一氏が生きてきた時代の戦後の首相たちを
評論したものであるが、
氏ならではの博識な見解が
平易にわかりやすく語られている。
人物評とリーダーとしての統率力が
見事に描かれており、
保守派の渡部氏に偏らない人物評に好感が持てる。
32人の首相を見ていくと、
概してリーダーたる人物が日本には少ないことだ。
とくに、近年目まぐるしく変わる総理は、
渡部氏の言うように、総理になってはいけなかった人物も
見受けられる。
鳩山内閣については、氏も各メディアで論じているが、
戦前の近衛内閣のように、国を傾ける進路をとった
内閣として危惧している。
私たちがこれからの次代のリーダーを
見る目は、過去を知ることで養われる。
政界が分裂してきた今、
各党首を冷静に見つめるためにも、
参考になる一冊だ。