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「超」税金学

価格: ¥1,147
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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消費税の問題点を通して日本の税制を考える ★★★★☆
『「超」整理法』シリーズの著者にして高名な経済学者による税金論。前半は消費税への言及にスペースを割き、そこから土地税制など全般的な税制の話に拡がり、最後は「包括的所得税」「支出税」といった課税ベースにまで言及している。野口氏が語る日本経済論は、秀逸なものとトンデモなものが玉石混交であるため、トピックによって内容の吟味を読み手に強いるが、本書は、著者の本来の専門分野である公共経済学・租税論の範疇だけに、安心して読める。
昨今は、年金未納問題や消えた年金問題を受けて、「消費税にすれば未納がなくなる」「消費税なら高齢者からも負担を求められる」とばかりに公的年金制度の税方式化(福祉目的消費税など)がまたぞろ叫ばれているが、現行の消費税が抱える数々の課題(益税問題、インボイスの欠如etc)を手当てせず単純に税方式に移行したところで、真の公平性・中立性の達成には程遠い。税方式推進論者は、せめて本書の第1〜3章だけでも目を通すべき。
有権者(納税者)のために書かれた本 ★★★★★
税金について系統的に学んでいないわたしでも,税制の基本的考え方および日本の税制の問題点がよくわかり,非常に有益だった.消費税の益税・インボイス方式・簡易課税,税効果会計,連結納税制度など断片的に理解していたことが,税制の枠組みの中ではっきり理解できた.著者は社会の公平性(社会階級の固定化の抑制など)の確保という視点から税制に対する提言を行っている.非常に説得力があり好感を持った.良質な啓蒙書の典型的な例と言える.

少し気になったのは,固定資産税を未実現キャピタルゲイン課税と解釈しているところである.そうするなら,不動産の未実現キャピタルロス(含み損)の損益通算を認めないと整合性が取れないような気がする.含み損のある住宅のローンを抱えている人にとっては,そうしてもらわないと納得しにくいのでは?しかし,このようにして固定資産税率を上げると不動産の市況によって税収が著しく変動するというリスクが生じる.私の素人考えでは,インカムゲインを得るための社会インフラ使用料が固定資産税と解釈しているのだが.

また168ページで,「レーガン税制改革以降,米国の開業率はつねに10%台の高水準で推移しており,....」とあるが,それ以前の開業率が示されていないので,比較ができない.この点を改訂すべきである.

複雑な税制を理解するのに最適 ★★★★★
本書は、「『超』納税法」の続編にあたる。
前作に比べて分かりやすく、
しかも現在の大きな政策課題になった年金問題と絡めて議論されていて、
買って読む価値のある本だった。

この本で評価できるのは、日本の税制を分かりやすく説明していることと、
その問題点を解消するために、
あるべき改革の具体案を提示している点にある。

また、消費税と年金制度を絡めて論じるなど、
現在進行形の問題がスンナリと頭に入ってくる構成になっている。

改革案では、
前作で分かりにくく技術的な提案だった「サラリーマン法人」に比べて、
「支出税中心の税制に改革を」と税制全体の改革を提案したのは、
格段に分かりやすくなった。

政策には統一した理念が必要という筆者の考え方には、

賛同する人が多いだろう。
今夏の参院選では、
どれだけの政党が「統一した理念」に基づく政策を打ち出せるのか、
期待を込めて注目したい。

日本の消費税の欠陥から、税金について考える ★★★★★
 以前税理士を目指し、消費税法の授業を受けていました。
その講義の中で、「益税」という問題が非常に印象的でした。
自分たちの払った消費税が、税金ではなく業者の懐に入って
いて、しかもそれが合法というのが納得できませんでした。

 以前、課税売上高3,000万円以下の事業者は、消費税を預かっても

納税の義務がありませんでした。また、年間売上高2億円以下の事業
者は、簡易課税制度が申請でき、益税の温床となっていました。
 2004年4月の法改正で、それぞれ1,000万円以下、5,000万円以下に
改正されたのは、益税が減るということでは有効であると思います。

 しかし、野口先生が指摘しているように、インボイスを伴わない

不完全なものであることは、依然変わりません。

 消費税が薄く広く徴収する制度であり、高齢社会の重要財源で
ある以上、その制度改革が必要であることは確かです。

 日本人は税金について無知です。学校でも教えませんし、税理士
を目指す人以外は、身近な消費税の制度についても知らないと思います。

 是非、この本を読んで消費税とは何か、徴税とは何かを考えて
みるべきだと思います。
これでみんな税に興味をもとう ★★★★★
前著「超納税法」の続編。ややこしい税制について、いろいろなエピソードを交え、実務的な面(といっても私は素人なのでよくわからないが)も押さえつつ、軽妙な語り口で、その問題点を指摘しています。この本の特徴は何といっても読みやすさ。読み進んでいるうちに、税制の問題点がわかってきたような気にさせる、そして、もっと税制のことが知りたくなる格好の入門書だと思います。最近、「金融工学」とか、デフレの問題についてのコメントとか、勉強好きなミーハー大衆のうけを狙った著作が多かったが、この税金シリーズは著者の本来の専門ということもあり、久々に説得力もあったように思います。税をこれから勉強する人にはお薦めの1冊では。