インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

武蔵野線まるごと探見 (キャンブックス)

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: ジェイティビィパブリッシング
Amazon.co.jpで確認
多彩な話題を幅広い視点から詳しく解説、懐かしく新鮮 ★★★★★
40年近く前、私が首都圏の国電に夢中だったころ、開業した武蔵野線。

何もない(?)郊外を高架とトンネルで延々ブチ抜く超大スケールの環状路線。初乗り運賃では隣駅に行けない長い駅間距離。東北、中央、常磐線などと“三角線”で結ばれ、旅客より貨物が主役で、“ミステリー列車”にうってつけの運転ルート。10両編成を見慣れていたところへ6両編成で、しかも40分に1本しかやってこない電車・・・。
とにかく、身近だった京浜東北線や山手線に比べ、何もかもが異相だらけで型破り。それ故に強く興味を惹かれたことをよく覚えている。

本書は、府中本町を起点に各駅を丁寧に訪れ、歴史や現況を細かく紹介している。とくに、開業当時は沿線がこれほどまで開発され発展するとは想像だにできなかったようで、利用客の急増や流動の変化に駅設備や交通アクセスの整備拡張が追いついていない共通課題をきっちり指摘している点に好感が持てる。

続々オープンする大型ショッピングモールに代表される沿線風景の叙述は、二十数年前に宮脇俊三氏や原田勝正氏が監修執筆していた一連の『旅』シリーズを彷彿とさせる。
数多くクロスするJR線や私鉄線の最新情報や乗り換え所要時分などの実用記事もある。当初の敷設目的である貨物輸送に関する分析や考察、展望などの記事は、さすがに内容が広範囲で詳細だ。古い地形図や写真を交えた下河原線廃線跡の探訪も興味深いし、“トマソン”的建造物の紹介も忘れていない。
乗り鉄、撮り鉄、車輛マニア、廃線ファン・・・多様な愛好家に広くお奨めしたい。

開業当初の時刻表や新聞記事も復刻掲載されており、次々蘇る昔懐かしい記憶に、ひととき楽しく酔った。
ただ、この「キャンブックス」シリーズはカラーページの使い方扱い方がまるでペケ。校正ミスも散見される。このビョーキはもはや不治なのか・・・。