日活アクション映画の流れをくんだ村川透監督の演出は、ときに荒唐無稽ではあれ、力づくで観る者を納得させてしまうパワーに満ちあふれている。仙元誠三による長回しアクション撮影の切れも抜群で、大野優二のジャジーな音楽も効果的。当時、失われ始めていたプログラムピクチュアの復権として多くの邦画ファンの喝采を浴び、映画そのものの娯楽性をとくと知らしめてくれた作品である。(的田也寸志)